日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2000Manipulation〈マニピュレーション〉分散制御された複数ロボットと人間との協調による物体ハンドリング
平田泰久 | 東北大学 |
小菅一弘 | 東北大学 |
淺間一 | 東京大学 |
嘉悦早人 | 理化学研究所 |
川端邦明 | 理化学研究所 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
工場内をはじめ家庭,オフィス,病院といった様々な分野で要求される複雑な作業に対して柔軟に対応するためには,完全自動化されたロボットではなく,人との協調を前提としたロボットシステムが有効である.人との協調を前提としたロボットシステムを構築するためには,安全性の観点からロボットの大きさは比較的小型であることが望まれる.しかし,小型ロボットは出せるパワーが小さい,機能が限定される等の問題があり,1台のロボットで全ての作業を実現することは困難である.そこで,我々は,複数の小型移動ロボットと人が協調して作業を実現するロボットシステム“Distributed Robot Helpers”を提案し,その作業の一例として単一物体を操るための分散協調制御系を提案した.
複数の移動ロボットにより物体の協調ハンドリングを実現するためには,車輪の滑り等によるデッドレコニングの信頼性の低さを考慮した協調制御系を設計する必要がある.実際に実環境で移動ロボットを協調的に用いるためには,この問題は避けて通ることができず,この問題の解決が,実用的な移動ロボット協調システムの実現への第一歩になると考える.
第19回(2005年度)日本ロボット学会学会誌論文賞受賞2001年 日本ロボット学会研究奨励賞
2005年 日本機械学会賞(論文)
2006年 ファナックFAロボット財団論文賞