日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2002Manipulation〈マニピュレーション〉バイラテラル制御による非接触マイクロマニピュレーション —レーザマイクロマニピュレータによるマイクロツール制御—
新井 史人 | 名古屋大学 |
小川 昌伸 | 名古屋大学 |
福田 敏男 | 名古屋大学 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
バイオテクノロジーの研究分野において,顕微操作としてマイクロマニピュレータの利用が盛んになっている.高精度な位置決めや力計測を用いたより精度の高い操作手法が求められている.高出力レーザを顕微鏡の対物レンズで集光することで光圧が発生する現象(光トラップ)を利用して,非接触で微小物・微生物等を操作することが可能なレーザマイクロマニピュレータを実現することが可能である.本論文では,レーザマイクロマニピュレータを用いて,溶液が満たされた閉空間で微小物体を遠隔操作する際,反力の力呈示を行う概念と方法を提案した.Quadrant Photo Detectorを用いて微小な対象物の位置検出をリアルタイムに行うことで,レーザトラップ力を算出し,バイラテラル制御による非接触マイクロマニピュレーションの実現方法を示した.また,レーザ照射による微小物の損傷を防ぐことと,トラップ力を向上し操作性を改善することを目的に,マイクロツールを用いた間接的な操作の概念を提案した.実験においてレーザトラップの操作反力を確認し,操作性を向上した.また,マイクロツールを操作することで,イースト菌の操作に成功した.
2004年 第18回日本ロボット学会論文賞受賞