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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1982Sensing〈センシング〉接触点の位置と荷重を計測可能なシート状触覚センサ


下条 誠通商産業省工業技術院 製品科学研究所
石川 正俊通商産業省工業技術院 製品科学研究所

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

このセンサは,ロボットの指などに取付けロボットが対象物を握った時の接触位置と総荷重を検出 する.即ち「指のどの部分」に「どのくらいの力」が加わったかを検出可能なセンサである.センサ は3層シート状の構造で,厚さは0.7mmと薄く,曲げることができ,センサからの配線は導線4本 のみである.センサ回路は演算増幅器7個からなる簡単なアナログ回路で数μ秒程度の高速な応答が 可能である.

通常触覚センシングでは,接触位置の検出などで分布荷重の計測が必要とされる.このためセンサ 構造の複雑化と配線数の増大が実装上大きな問題となっている.これに対して本研究では,(1)3 層シート状の極めて簡単な構造を用い,(2)極少ない配線数で実現できることを実証した.また, 滑り覚センサへの応用についてもその可能性を示した [1].さらに本センサを装着したロボットハン ドにより,把持物体の判別が可能なことを示した[2].

1984年 計測自動制御学会論文賞受賞

図1 Stanford-JPL handと触覚センサ
図1 Stanford-JPL handと触覚センサ
図2 各種形状に制作した触覚センサ
図2 各種形状に制作した触覚センサ