SEARCH
MENU

日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1988Sensing〈センシング〉液晶レンジファインダ-液晶シャッタによる高速距離画像計測システム-


佐藤 宏介大阪大学基礎工学部
井口 征士大阪大学基礎工学部

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

ロボットの視覚システムとして,対象物体の形状や位置,前後関係を容易に判別できる高分解の距離画像(Range Image)を高速かつ安定に計測する実用的な三次元画像計測システムを開発した。本研究により,
  1. 光切断法におけるn本のスリット分解能の計測において,従来nのオーダーの計測時間(撮像フレーム数)をlog(n)のオーダーに高速化した。
  2. パターン投影に液晶素子のスリットシャッタを用いて相補パターンを投影することがで,対象物体の反射率に依存しない安定な計測を実現した。
  3. 空間符号化にグレイコードパターンを用い,2値化誤りを最小化した。
を実例を示して明らかにした。さらに本システムを核として発展させることにより,パイプジョイントの円筒モデル認識によるビンピッキングシステム(*),物体の機能モデル認識,ボクセル表現による全周形状計測,法線ベクトル計測による反射特性推定等,距離画像の応用研究に波及した[4~7]。

(*) 1998年,Most Influential Paper of the Decade Award受賞, IAPR Workshop on Machine Vision Applications '98, Range Image Processing for Bin-Picking of Curved Objects in pp.451-454, IAPR Computer Vision '88

図1 時系列空間符号化の原理
図1 時系列空間符号化の原理
図2 128ライン液晶スリットシャッタ
図2 128ライン液晶スリットシャッタ

動画


対応論文


佐藤,井口:液晶レンジファインダ-液晶シャッタによる高速距離画像計測システム-,(PDF, 1.3MB)

電子情報通信学会論文誌,第J71-D巻7号, pp.1249-1257, 1988
Copyright(c)2006 IEICE, 利用許諾番号:14RB0032

関連論文


[1] 井口,佐藤:三次元画像計測,昭晃堂, 1990.

[2] 佐藤,井口: 空間コード化による距離画像入力,電子通信学会論文誌,Vol. J68-D, No. 3, pp.369-375, 1985.

[3] K. Sato and S. Inokuchi: Three-Dimensional Surface Measurement by Space Encoding Range Imaging, Journal of Robotic Systems, Vol. 2, No. 1, pp.27-39, 1985.

[4] 藤田,佐藤,井口: 局所曲面形状解析に基づくビンピッキングのためのビジョンシステム,電子情報通信学会論文誌,Vol. J73-D2, No. 1, pp.46-53, 1990.

[5] 山本,加藤,佐藤,井口:機能モデルを用いた3次元物体認識,電子情報通信学会論文誌,Vol. J74-D2, No. 5, pp. 601-609, 1991.

[6] Y. Sakaguchi, H. Kato, K. Sato and S. Inokuchi: Acquisition of Entire Surface Data Based on Fusion of Range Data, The Transactions of the IEICE, Vol. E74, No. 10, pp.3417-3422, 1991.

[7] K. Ikeuchi and K. Sato: Determining Reflectance Properties of an Object Using Range and Brightness Images, IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Recognition, Vol. 13, No. 11, pp.1139-1153, 1991.