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みのつぶ短信第1回「論文発表は国と国の闘い?」


本エントリーは会長在任中に投稿された記事です。

5月末にモントリオールで開催されたICRA2019に参加してきた.実は,ちょうど一年前にロボカップを全く同じ会場で開催しており,面倒なので,ホテルも同じにしたら,会場を見下ろす同じような部屋であった.初日,General ChairのGregが国別採択論文数のスライドを示した(会議の詳細は別途報告します.)米国,ドイツ,中国,イギリス,カナダ,スイス,日本,フランスと続き,嘆くか,頑張ってくださいというべきか?と愚痴ろうとしたら,阪大石黒教授が,「国別統計って意味ないですよね!」と一言.研究者や研究者がやってる研究は世界中を巡っており,国というより,個人の単位での成果だろう.大賛成である.オリンピックもそうだが,国を超えて,トレーニングしていたり,国家の威信をかけて,巨額な予算をかけているが,国家の代理戦争をしているわけではない.選手個人個人が自分との戦いを通じて,パフォーマンスを発揮し,競い合う場であるなら,我々の業界も同じだろう.と考えてきて,最近の論文発表はウェブアーカイブが台頭してきており,これも,学会という威信をかけたフィルタリングにどれだけ意味がありますか?と問われている気がする.つまり,学会の意味や価値,存在意義など,再考の時期に来ていると感じる.

日本ロボット学会
会長 浅田 稔

写真1

 

図1