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みのつぶ短信第35回:深圳招待講演旅行顛末記2024


深圳国際汎用人工智能大会,深圳国際汎用人工智能産業博覧会 深圳招待講演旅行顛末記

はじめに

今年8月28日から30日まで開催された2024深圳国際汎用人工智能大会(2024 International (Shenzhen ) Artificial General Intelligence (AGI) Conference) での招待講演を,もと教え子の当時中国人留学生,現在,ベンチャーの共同創設者から依頼され,30年ぶりということで,再会を楽しみに受けることにした.深圳といえば,みのつぶ短信第7回「深圳のTencent:中国の灰と明」で,中国はそれ以来だった.ビザ申請が厄介と思いきや,70歳以上は,領事館への出頭義務なしということで,助かった.今回は,その深圳招待講演旅行顛末記である.

2024年9月1日執筆時,台風10号は熱帯低気圧に変わったものの,まだ日本に滞在中である.この台風の影響で,8月27日出発予定を早めて,前日の26日の夜に伊丹から羽田入りし,翌日の深圳への便に備えたが,結果は影響なく27日の便も飛んでいたようで,この時点で思ったよりも鈍足な台風である.


もと教え子の当時中国人留学生:顧海松博士

招待講演の依頼を受けた,もと教え子の当時中国人留学生は,顧海松博士(DR. HARRY GU)で,現在,visionx.org [1]のChief Technical Officer & Founderである.浅田が阪大工学部機械系白井研の助教授(現在の准教授)時代の教え子で,学位取得後,内外の大学や研究機関で研究員を務めたのち, AI協働プラットフォームであるvisionxを立ち上げ,日米経済振興やセミナー開催にも尽力しているとのことで,今回,深圳の経済団体や中国各地の経済団体なども招いて,汎用AIとその産業応用をねらったイベントを企画し,浅田を海外からの講演者として,招聘した.

[1] https://visionx.org/teams.html


ホテルは会場近くのインターコンチネンタル

27日,予定より若干早く,深圳空港に到着し,出口でのお迎えを想定していたが,お迎えがいない.浅田以外の名前のボードを掲げた人はいたが,肝心の浅田のお迎えが,40分遅れで到着した.迎えの出発が遅れてとのことと言われ,平謝りだったが,このあと判明するが,ドライバーが慣れていなくて,道を誤った模様.空港での駐車場位置も定かではなく,あとでも紹介するが,いろいろトラブった.

ホテルは会場近くのインターコンチネンタルで,部屋は広々だが,エアコンがきつく感じた.ちなみに上は30数度でほぼ大阪と変わりなし.蒸し暑さも同程度だった.実は,その前の週に東大本郷であった赤ちゃん学会での強冷房で体調を崩し,体温コントローラが破壊され,極度の寒がりになっていたせいで,ホテルの部屋が寒かったが,スイッチオフで事なきをえた.


ホテルの部屋:スペース大!


ホテルでVIP晩餐会

27日,夕刻6時半からホテルの2階で,VIPレセプションがあった.20名のうち女性が4名が入っており,ジェンダーバランス良くはないが,日本だとオール男性だったりするので,まぁ,日本が恥ずかしいほうだ.料理は美味しかった.野菜が多く,あっさり目の味付けで,魚,海老,鶏肉,豚肉,牛肉など堪能した.


ホテルから会場の深圳国際会議場・展示場へ

28日,朝,開会式参列と挨拶のため,ホテルから会場に向かった.駐車場にはEV用の充電ステーションが立ち並び,テスラや中国のEVも多数見かけた.

開会時刻より早めに到着したため,会場受付はまだ閑散としていた.


非常に広い深圳国際会議場・展示場

会場の深圳コンベンションセンターの広大さに驚愕する.Wikipedia[2]によれば,「建物は2期に分けて建設された。第1期の敷地面積は約121万4,200平方メートル、総建築面積は約160万5,000平方メートルで、このうち屋内展示場の面積は約40万平方メートル。第1期では合計19展示ホールが整備されている。第2期では10万平方メートルの展示ホールが建設され、ハノーファー国際見本市会場を抜き、世界最大のコンベンションセンターとなる予定である。」

写真は国際会議場の設置されていたセンター全体のジオラマで矢印あたりが国際会議場だったと言われた.

[2] https://ja.wikipedia.org/wiki/深圳国際会展中心

ジオラマでは夜間の照明や交通の様子が伺えた.


開会式会場とオープニング

どこかで観た記憶のある風景.ちなみにヒューマノイドはUBTECH製.


会場は9,10,12号館


9号館の風景:RFID, Intelligent Sensor, Intelligent Terminal Zone


10号館の風景:Communication, Positioning, Intelligent Sensor Zone


多分12号館の風景:AI General Artificial Intelligence Technology and Application Zone


28日午後はAKUSENSE社訪問

AKUSENSE社[3]は,日本でいえば,浜松フォトニクスに対応する光電素子などを生産する会社で,深圳郊外に位置し,なぜか明示電機とも称している.CEOの唐可信氏に何度聞いてもわからなかった.明治製菓の話や明示時代の話も知っている様子だが,なんとなく気に入ったとのことであった.技術談話がはずみ,ホテルでの晩餐会に間に合わせるために夕刻5時過ぎに会社を出て,6時にはホテルに戻る予定だったが,,,,

CEOの唐可信氏

 

[3] https://www.akusense.com


誤って深中通道へ

AKUSENSE社からホテルに戻るはずが,高速道路でおりる場所をドライバーが間違え,今年6月30日に開通した海を渡る全長24kmの深中通道[4]に入ってしまった.雷鳴轟き豪雨の中,降りるところなく往復したのである.当然のことながら,AI百人衆宴の会は浅田の到着を待っていたようで,申し訳なかったがやむなしである.写真は大渋滞の様子と吊り橋の塔.

[4] https://www.shenzhen-fan.com/2024-07-shenzhen-zhongshan-link-bridge/


全球AI百人宴

おまたせした宴会では,翌日の浅田の講演の10分ダイジェストを披露し,好評を博した.ダビンチのアンドロイドを化粧品会社の女性の社長が気に入り,会社訪問を依頼されたが,便の関係で無理であり,お断りした.

会場への看板と四重奏.


UBTECH Michael Tam氏

百人宴ではUBTECHのChief Brand Officer at UBTECH RoboticsのMichael Tam氏[5]が隣で,ロボカップの出展やプラットフォームの可能性等について議論した.

[5] https://theorg.com/org/ubtech-robotics/org-chart/michael-tam

[6] https://www.ubtrobot.com/en/


29日講演無事終了

プログラムガイドの写真とプログラム.日本ロボット学会元会長と読むのだろう.

 


ホテルから空港へ,そして羽田空港まで

講演会終了後,ホテルで昼食を摂って,空港まで送ってもらった.今回は迷いなしだった.17時発の便だが,空港でチェックイン時,東京からの便の到着が遅れ,登場時刻17:10,すなわち30分遅れ.想定内だったが,17:10にゲートに行ったら,18時搭乗とのこと.それで空港内を散歩しながら18時搭乗.今度は深圳空港上空の天候不良で機内で2時間半おまたせ.その間,出発予定時刻の案内なし....トータル4時間近く遅れ,当初,羽田に8月29日22時20分に第二ターミナル到着予定が8月30日1時45分に第三ターミナル着で,ターミナル間シャトルも京急もモノレールも当然,動いているはずもなく,タクシーで第二ターミナルのホテルに向かおうとするも,ドライバーが全然土地勘なく,第一ターミナルの前を3回ほど通過.最後は浅田のiPhoneのGoogleナビで30分以上かけて,ホテル到着.シャワーを浴びて,ベッドに就いたのが3時ごろ.翌朝7時の便なので,6:00に目覚ましかけつつも,6時前に起きて,チェックインカウンターに向かった.6時過ぎなのに,羽田空港,乗客で満杯.台風の影響ですね.7時の便で予定通り伊丹便に登場し,無事,伊丹空港,そして自宅到着.ほっ!!!


おわりに

今回,台風10号が日本をゆっくり横断・縦断している間の中国出張であった.前回の中国出張がIROS2019マカオで,そこから深圳を訪問したこともあり,深圳続きである.中国でAIをはじめとする最先端技術集積の街であり,EVの普及度(充電ステーションの設備)も高く,それからドイツ車の多さも目立った.街として,相当裕福である印象を持った.日本から紙の名刺をどっさり持参したが,現地ではほとんどWeChatで,LINEが使えない代わりのまさしく代名刺である.言語的には意味が理解可能な漢字であるが,ひらがなやカタカナが間に入っていることに慣れている日本人には,さすが漢字ばかりだと頭が痛くなりそうである.ギリシャを訪問したときに同じ体験をした.新聞を見たときに,α,β,γばかりで,通常の英語のアルファベットに中に数式表現としてたまに見かける文字が紙面全体を覆っており,同じ印象である.だから,中国では簡略体で頭が痛くなるのを緩和しているのだと納得した.漢字つながりだが,英語のComputer Scienceを日本語では計算機科学と訳すが,中国語では電脳科学でそのセンスは流石である.ロボットの机器人も「人のような機械」,「人のための機械」を含んでいるようで,ここも一本取られた感じ(漢字)である.


深圳招待講演旅行顛末記2024(※動画はこちらから確認いただけます) (PPTX:378MB) 

 

浅田稔

元会長,現在,大阪国際工科専門職大学 副学長,及び大阪大学先導的学際研究機構 共生知能システム研究センター特任教授