国際会議報告
The 34th IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2021)
主催:IEEE RAS & IES, SICE, RSJ
日時:2021年9月27日~2021年10月1日
会場:オンライン開催
第34回IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS)が9月27日から10月1日までオンラインで開催された.当初は「ロボット」という言葉を生んだ国チェコのプラハで開催される予定であった.しかしながらIROS 2021実行委員会で慎重に検討された結果,COVID-19パンデミックが収まっていない状況下では現地開催やハイブリッド開催は困難と判断し,2021年4月に完全オンライン開催とすることが決定された.
本会での投稿総件数は,2821件(前年度比6%減)であった.採択率は全体で45.5%であり,1266件の採択となった.内訳については951件がIROS onlyのfull paperとして,315件がRA-Lのオプションとして採択されている.また,Workshopが48件,Tutorialが4件採択され実施された.図1に示すとおり,採択論文の著者所属を見ると、日本からの著者は全体として4番目であり,米国と中国でほぼ半分が占められている.参加登録件数は学会最終日時点(10/1)の集計で2593名であった.地域別参加者の内訳については,上位5ヶ国は米国(569名)、日本(270名),中国(200名),ドイツ(197名),韓国(159名)であった.
図1:採択論文における著者の国別割合
図2:gConを利用したプレゼン風景
テクニカルセッションに付随する企画として,プレナリー講演3件,基調講演10件,コンペティション4件が実施された.
オンライン講演会の実施形態は,プラットフォームとしてgConというオンライン会議用ツールが利用され(図2参照),オンデマンドによる発表資料および事前動画とコメントによる質疑応答,ならびにオンラインによる発表と質疑応答というスタイルで実施された.これはプレナリー講演や基調講演も同様であった.オンライン国際会議では,時差による発表時間の問題が残るが,オンデマンドでの視聴も可能とすることによりこの問題の解決が試みられた.オンデマンドによる事前動画は,2022年3月末まで視聴可能とされていた.プレナリー講演は,MITのRuss Tedrake先生による「Simulation and Control through Contact」,同じくMITからDaniela Rus先生による「Learning Risk and Social Behavior in Mixed Human-Autonomous Vehicles Systems」,そしてフランスCNRS & Grenoble Alpes UniversityからJocelyne Troccaz先生による「Computer-aided and robot-assisted medical interventions: myths, reality and challenges」の3件がそれぞれオンデマンド・オンタイムで実施された.
コロナ禍の下,様々なアイデアで活発な議論ができる形を提供して頂いた実行委員会メンバー全員に改めて感謝したい.
(中西 淳:名城大学,田原健二:九州大学)